いやぁ暑さも少しずつ和らいで・・・と思ったらまた暑くなりましたね。
そんな感じで季節・天気の話題などから始まるこのブログ。初投稿です。
ここのサイトは基本的には『薬と健康』を主題としつつ適当につぶやく日記のようなものとして運営していきたいと思っています。
というわけで今回のお題はこちら。
風邪とインフルエンザ
暑さが和らぐとすぐに秋が来て冬になります。特に昨今は夏と冬が長く、春と秋が短く感じるので冬になるのもきっとあっという間でしょう。
さて、冬といえばやはり気になるのはこの「風邪」及び「インフルエンザ」ではないでしょうか。
私はOTCから初めて調剤に流れたので(病院には勤めてない)そうして経験した感じからの風邪に対する事を徒然と書いていこうと思います。
予防のお話とか
やはり風邪など罹らないのが一番。そうなるとまずは予防となります。
予防に関しては科学的根拠のあるものからないものまで様々な話が世間に飛び交っていると思います。専門家でない方にとっては何を信じればいいのかわからないでしょう。専門家ですらどこまで信じればいいのかわからないのですから。
なのでここに書かれている事もどこまであてになるのかわかりません。私がこれまでの経験を基に記します。
①ビタミン
よくビタミンCを摂るという話があります。個人的な意見としてこれは一応効果はなくはないと思ってます。専門的な話は割愛しますが、まぁあり。
とはいえビタミンCなんて普通に食生活次第では摂れる気もするし、水溶性なので多い分は流れるだけ(逆に言うと余程異常な量でない限り多めにとっても良い)。まぁないよかいい程度かな?
風邪になってからでも摂ると治りが早いとかいう話もたまに聞きますが、そっちはあんまり信じてないです。
②保湿
これは大事でしょう。
細菌と違ってウイルスは乾燥している方がパッと飛んでパッと入り込みますから。加湿器なんかもいいかもしれませんね。ちょうど乾燥はお肌にも悪いので一石二鳥。
③マスク
これは個人的には不要だと思います。
マスクは罹った人が付ければよい物であって、予防的な観点で言うと期待値はちょっと不明。とはいえ②の保湿の役割に貢献できるので、全く意味がないとも思いません。
ビタミンと同じで、まぁしないよりはいいのかな?くらいのイメージ。
④予防接種
風邪はともかくインフルエンザには予防接種があります。
これについては様々な意見あるでしょうが、私は不要論者。ただし高齢者や種々の重篤な疾患を持つ方はケースバイケース。
基本的に数多あるインフルエンザウイルスを予防することは困難でしょうし、「罹っても症状が軽くなる」とか言われても欠勤しなきゃならん日数が大きく変わるわけでもなし。日々の体力の低下を防ぐ事の方がはるかに有用なので、一般的な青年~中高年の人は要らないと思います。
治療
さてお次は実際にかかってしまったらというもの。
ならないのが一番といったってどうしてもなることだってある。じゃあそしたらどうしようってお話。
①病院に行く
日本はこのパターンの人が比較的多いのですが、個人的には論外。
診療所のお年寄りにウイルスを振りまくだけで別に治る薬ももらえない。当然治療も受けられない。よほど重体でない限りはあり得ない選択肢ですね。
②市販薬
これもそれなりには多いと思います。
一番理想なのは風邪薬が常備してあること。これに関しては市販薬で構わない、というか市販薬がいいです。予め少し強めの風邪薬を一つ置いておくのが一番(選択は後述)。
次点としては症状だけ確認して家族に買ってきてもらうこと。最悪自分で行ってもいいです。病院で種々のウイルスをmixするよりは空間も開放的だしまぁマシでしょう。
なお買ってきてもらう場合は出ている症状が何なのかしっかりと確認を。もちろん持病がある場合併用薬が分かるよう持っているならお薬手帳を預ける事。
③ひきこもる
これが可能なのであればはっきり言ってこれでいいです。
処方薬にしても市販薬にしても治療になる薬はなく、全てが対症療法。ならば動かずに体を休めて体力をつけること以上に大事なことなどありません。症状に耐えられるのであれば薬を飲む必要はないです。
もちろん治るうえで必要ないとはいえ辛ければ飲んでいいです。「飲んじゃダメ」ではないので。また場合によっては風邪をひいていても何かをしなければならない事もあるでしょう。そういう時は少しでも楽になるため薬は使うべきです。
④その他
後他にするべきは、
1)体を温める、汗を流す(冷やさないように!)
※高熱の場合は別です。脇や首などを冷やして速やかに熱を下げましょう。38-9度あったらこっちの対応でいいと思います。
2)脱水症状にならないよう水分・ミネラルを摂る
3)ちゃんと食べる(固形が難しければゼリー飲料もおすすめ)
4)栄養ドリンク
などでしょうか。
1~3は基本として4もお勧め。正直風邪薬で適当にごまかすくらいならそのお金でドリンク買った方がいいと思ってます。そこまで高くないものでよいので。
さて、ここまでは風邪の治療に関してでしたが、インフルエンザであってもそう変わりはしません。インフルエンザの場合風邪と違い治療薬がありますが、正直普通の成人なら必要ないです。周りにうつさないよう家にいた方が多くの人が幸せになれる事でしょう。別に治療薬貰った所で、一日早く熱が引けばラッキー程度ですし。
なお市販薬を使う場合風邪よりも注意すべきことが少し多いです。インフルエンザが周りで流行っているなど、可能性が高いと判断された場合はそれを念頭に買う薬を決める必要があるので、店頭で相談してもらいましょう。
あ、自分が罹っててかつ出かける時にはマスクして下さいね?
薬
最後に薬について。
ここが私の本業ではあるのですが、風邪の関連医薬品の種類は膨大です。
ここにあげるのは比較的有名で、かつそれなりに有用と判断したものPB品(大手ドラッグなどの自社製品)にも安くて良いものはあるので、絶対の指針ではない事に気を付けて下さい。
①OTC風邪薬
市販薬は先に挙げた通り常備しておくのが理想。買いに行くという事は他人云々もそうだけど、まず自分の体力を消費してしまいます。それなら引きこもった方がマシ(上記)。ですので、今回は常備に向く薬として挙げる事にします。
1)パブロンエースAX
安定の大正製薬はパブロンブランド。その中でもかなり強めの薬が多く配合されています。その為どんな症状が出ていても効くのがいいです。特徴は名前の由来でもあるAX(アンブロキソール)で、処方薬でもしばしば出されるムコソルバンという医薬品の成分です。咳・淡を中心によく効きます。どれを選べばいいかわからないときはこれ。
少し値ははりますが、大容量の風邪薬なんか買ってもどうせ期限が切れるだけです。しっかり効くものを少量置いておいた方がよいと私は断言します。
2)エスタックイブファイン
エスエス製薬の商品。イブの名を冠する通り、イブA錠の主成分であるイブプロフェンが使われています(パブロンエースもだけど)。
個人的な一押しポイントはヨウ化イソプロパミドが入っている事。鼻水などによく効いてくれます。ただし喉がよく乾く事でしょう。
3)漢方薬
漢方薬はちょっと難しいです。よく「風邪の引き初めに葛根湯」と言いますが、あれは正しいけど間違っていて、正確には風邪の引き初めのうち寒気や節々の痛みがある場合は葛根湯、となります。
じゃあなんならええのん?という話になるのですが・・・これが難しいです。私が直接話を聞ければ大まかに証(漢方の概念の一つです)を判断するのですが、そういうわけにはいかないのでざっくりと行きます。個人的には特別理由がない限り上の二つで良いと思うのですが、西洋薬より漢方がいい!という人は参考にしてください。
a)葛根湯
上にもある通り、風邪の初期で寒気があり節々が痛む方におすすめ。
葛根湯は基本的に体を温める漢方なので、熱証を持つ方(例えば喉の痛む方)などには不向きであることに留意。
b)銀翹散
中国でもっとも使われている漢方風邪薬と言われています。
葛根湯とは逆に熱感のある症状に向いており、とくにのどの痛みが強いかたにはこちらをお勧めします。
c)小青竜湯
鼻水、特に透明な鼻が出る方にお勧めです。
花粉症なんかでもよくつかわれる処方です。
d)五虎湯
ゴホゴホという湿性の咳が出る方にお勧めです。
咳・淡が中心の場合はこちらをお勧めします。
e)麦門冬湯
コンコンという乾いた咳の出る方にお勧めです。
風邪の初期よりも後期で咳だけが残った場合によく用います。
f)柴胡桂枝湯
少し進んで症状がお腹に来ている方にお勧めです。
ただし、食中毒の可能性がある場合は速やかに病院へ行ってください。数日以内に食中毒の可能性のある食べ物を食べた、高熱と下痢がひどい、などはそちらの場合もあるので受診をお勧めします。
とまぁ適当に挙げただけでも色々あります。ちなみにインフルエンザの場合は「麻黄湯」や「竹茹温胆湯」という漢方薬が良く用いられます。
4)それ以外の薬
色々ありますが、すでに風邪をひいて西洋薬を購入する場合はそれぞれの症状に合ったものを選ぶのもあり。そうすることで値段を抑えられるかもしれません。副作用については、何かアレルギーや体質・病気など特殊な事がない限りは気にしなくていいでしょう。眠くなって喉が渇くくらいです。もちろんないに越したことはないので、避けたい場合は店頭でその旨伝えて選んでもらいましょう。
②市販のサポート品
1)OS-1
もう随分と有名になってきた経口補水液です。
あまりおいしくないですが、風邪をひいた時の水分補給はこれが一番でしょう。なおその他いろいろな経口補水液が今ではあります。中には美味しいものもあるので、試してみるのもいいでしょう(OS-1がベストだとは思いますが、風邪程度でそこまでしっかりとしたものが必要とも思わないので)。
2)栄養ドリンク
リポビタンやチオビタなどの安物でもいいですが、個人的なオススメは生薬がメインの箱物(ミニドリンクとも呼ばれます)。ちなみに上にあげてある二つはカフェインが入っておらず眠りの妨げになりません。でもまぁ別に入っててもいいです。特に何か用事がある場合はむしろカフェイン入りの物で風邪薬の眠気の副作用を緩和するのもありでしょう。高い物もありますが、個人的には安いものでいいと思います(それでもリポビタンなどのタウリン系と比べれば高いが)。
3)ゼリー飲料
有名なウィダーを載せましたが、別に他のでも良いです。
上記した通り、食事がちょっと喉を通らないときなどはこちらでカロリー摂取しましょう。
最後に適当に
ちょっと長くなりました。本当に気の向くままに書いたので雑然として読みにくい気がする・・・今後の課題ですね。
なおインフルエンザですが、今年新薬である「ゾフルーザ」という薬が販売されました。こちらは一回服用して治療が終わるという「イナビル」の内服版ですね。かなり便利な薬です。正直な所、インフルエンザの薬こそ本当は家に常備すべきだと私は思うのですがね・・・風邪以上にウイルス振りまくリスク高いのですから。インフルエンザの薬と検査キットは早期に一般家庭に常備させる体制を整えるべきだと私は思います。その方が結果的に蔓延のリスクを抑えて医療費も下げられると思うんですけど、どうでしょうかね。
またタミフルも10代への原則禁止がなくなりました。まぁそもそもとして因果関係がないという意見が多かったですし、妥当な所でしょう。こちらはついにジェネリック医薬品が出てくるので薬価を抑えるにはこれもありですね。内服のメインはゾフルーザに移行すると思いますが、タミフルにはドライシロップがありますし、小児であればこちらはまだまだ使われる事でしょう。
そんな感じで今回の記事は終えようかと思います。
ちょっと向こうのレビューと違って若干口調が荒いですがご容赦ください。きっと仕事で鬱憤がたまってるんです(笑)
それではノ